昨年は悪天候で実現しなかった東北の名峰“鳥海山”へ登る。初日は好天に恵まれるも、翌日は朝から小雨模様の天気であったが、素晴らしい高山植物に恵まれ充分満足の行く山であった。
17日早朝、自宅を出発、東北自動車道から山形自動車道へのルートが時間的に早そうであったが、自宅からは関越が近い為、県央道から関越自動車道へ入り、長岡JCから北陸自動車道―日本海東北自動車道を中条まで走り、あとは国道7号線を吹浦まで北上、約500kmを休憩時間を入れて8時間で到着。
関東は曇り空であったが、日本海側へ出て、北上するにつれて快晴となる。酒田あたりから鳥海山方面が観えたが、残念ながら上の方は雲がかかていた。
時間が有った為、吹浦の名所、十六羅漢岩を見物。 その昔、海上の安全と海難者供養の為に、地元海禅寺の和尚が、日本海の荒波が打ち寄せる奇岩に数百メートルに亘り仏像を刻んだものとか。 岩に直接刻んだ仏像はなかなかのものであった。
その後、鳥海ブルーラインを上がり、予約してある大平山荘へ入る。 丁度山荘の辺りからガスがかかり、残念ながら日本海への夕日を見る事が出来なかった。
翌18日、車を鉾立まで移動させ、象潟ルートより登山開始。 空は快晴だが西南方向に雲が出始めた。 然し、山頂付近は鉾立駐車場から樹林の上に良くみえている。
石畳の立派な遊歩道(最初は舗装路)のような道を緩やかに登って行く。 道の両側は丈の低い雑木林で、早くも森林限界を超えたような感じだ。
展望台を左に見、下をみると鉾立の立派な稲倉山荘が見える。 その下には、日本海や山麓の集落、稲の緑が輝く田圃が霞んでみえ、緩やかな登りだが、高度は確実に上がって行く。
約1時間半ほどで、雪渓のある賽の河原へ到着。 標高が1,500mを若干超えたばかりだが、早くもチングルマ、イワカガミ、サンカヨウ、ミツバオウレン、ヒナザクラなどの高山植物が眼を楽しませてくれる。
此処から西側の雪渓を上がって、御浜へ出られるルートもあるようだが、初めてなので、一般ルートを登って行く。 道は相変わらず緩やかで、遊歩道状の石畳が続いている。 左側に観える稲倉岳より高度が上がったと思はれる頃、御浜小屋へ着いた。
直ぐ眼下には写真などで、見たことがあるお馴染みの鳥海湖が見下ろせ、付近にはニッコウキスゲやハクサンフウロ、ヨツバシオガマなどが咲き、素晴らしいが、残念ながら鳥海山頂付近は早くもガスが覆い初めている。

御浜のニッコウキスゲ |
暫く写真などを撮り、出発しようと腰をあげた途端、今まで隠れていた鳥海山が全容を現し、逆光ながら、絶好の被写体となったので、再び荷を下ろし、山頂が良く観えるやや南へ移動して、撮影開始。 御浜小屋の南側にはニッコウキスゲの群落が今を盛りと咲き、鳥海湖と山頂を入れた風景は、出来具合は別として、本当に素晴らしい景観だ。 |

御田が原より笙が岳方面を望む |
此処から見上げる鳥海山は、今迄のなだらかな山容とは全く異なり、ごつごつとした岩稜帯が続く。 再びガスが流れ始めたので、撮影を打ち切り、扇子森方面へ向かって歩き出す。
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御田が原より八丁坂を下る手前に、道の両脇にやや盛りを過ぎた感じはするが、ミヤマウスユキソウがあちこちに咲いているのが見つかった。 ヨーロッパアルプスの象徴として有名なエーデルワイスには及ばないかも知れないが、こんなに沢山咲いているのを見るのは初めてで大感激であった。坂を下り、御苗代と呼ばれる小さな草原へ出ると、今度はヒナザクラの群落が現れた。 小さいが清楚で美しい花だ。 あまり花が多いのでピッチも、ますます遅くなってしまう。 |

ミヤマウスユキソウ |
やがて、七五三掛を過ぎて、千蛇谷と外輪山ルートへの分岐点へ到着。明日の天気予報は下り坂と聴いたので、今日は迷わず外輪山へのルートを登る事にする。
緩やかだった道も此処からは北面がすっぱりと切れた痩せ尾根の連続で、高度感満点だ。 南側は這松やハクサンシャクナゲが咲く緩やかな斜面となって、対象的である。 特にハクサンシャクナゲは満開で至る所に咲き、疲れを癒してくれる。

外輪山、伏拝岳付近より鳥海 |
伏拝岳付近の岩頭で昼食休憩。 ガスの切れ目から新山を眺めながら登って行くと、待望のチョウカイフスマが咲いているのを見つけ、 高度をあげて行くに従いその数が多くなる。 花も良いが葉も小さくて可愛らしい。
行者岳を過ぎ、御室への道を下る予定であったが、危険につき、通行禁止の標識あり、更に稜線を登り、南下に避難小屋のみえる百宅登山口ルートを右に過ぎた鞍部に御室へのルートがあった。
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七高山の山頂が直ぐ其処に見えたので、往復。 後ろは新山だが、ルートはないようで、鞍部から御室へ向かって降りる。
この付近もイワギキョウ、ミヤマリンドウ、イワブクロ、イワベンケイ、それにチョウカイフスマと様様な花が咲き誇っており、暫くのんびり過ごした。
御室へは急なガレを下り、雪渓を横切ってやや登ると到着。 大物忌神社へ参拝して、宿泊手続きを行う。 今日の宿泊者は40人ほどで空いている。
明日は週末となり、150名が泊るとの事。 ガスが濃くなってきたので、新山への登頂は諦めて、宿でゆっくり休養。 |

新山と大物忌神社(御室) |
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19日。 晴れていれば、新山へ登り影鳥海を見たかったが、生憎小雨が降りはじめた為、朝食後千蛇谷へのルートを下山。 緩やかな雪渓を下って行くが、外輪山方面からの落石が多く、ピッチも早くなる。小雨煙る雪渓はなかなか風情があった。
雪渓が終り、七五三掛への登りがややきつく、崩壊個所もあり、ルートが変更されていた。 昨日の分岐点からはまた、緩やかな登山道が鉾立まで続き、のんびりと歩く。 幸い雨もそれ程ではなく、写真も撮れる状態。
昨日撮り損ねた花を写しながら下って行くが、今日は登山者が多くかなりの人が登ってくる。 道幅が広いのでそれ程譲る為のストップはなかった。 |
御浜を通過し、賽の河原で小休止。 雪渓もあり、晴れていればゆっくりしたいところだ。 地元の中学生が先生に引率されて30名くらい此処で休んでいたが、この天気では、ここより下山するのであろう。
幸い小雨も上がってきたので、雨具を脱いで下る。 気温が低いのであまり蒸れず、汗も少なかった。 鉾立の駐車場は満員であった。 時間が早いので、あぽん西浜で汗を流して昼食をとり、酒田の街を見物してから今宵の宿である、湯の田温泉へ入る。 さすが海岸沿いだけあって、海の幸が豊富な食事に満足した。 何度も温泉へ浸かって山の疲れを癒す。
20日。 明け方迄大雨が降ったが、出発する頃は雨も上がり、薄日が差し始めた。
“道の駅鳥海”でメロンや西瓜を土産に購入し、7号線を新潟方面へ向かい、中条より高速道路を利用して夕方帰宅。帰路も8時間であった。
天候は、二日目に小雨に降られたが、初日が晴れで、豊富な高山植物に出会え、山も比較的緩やかで登りやすく、また登って見たい山で、三重丸の山旅だった。
歩行時間: 鉾立―外輪山経由御室 約6時間
御室―千蛇谷経由鉾立 約4時間半 (休憩時間除く)
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